会計業界に入ったきっかけ
会計の業界に入る前は、10年ほど時計の会社で営業をしていました。その後、会社のブランドを冠した商品を販売するのではなく、自分の中にある知識なり経験を提供することで、何か役に立ちたいと思うようになりました。1999年地方へ転勤となり、比較的余裕な時間ができたので、何か勉強することにしました。もともと海外と関わりのある仕事に就きたいと思っていたこともあり、また当時の会社の上司から経理はビジネスツールとして学んでおいたほうがいいと言われていた中で、目に入ったのが「米国公認会計士」という資格でした。ビジネスのプロフェッショナルといえば、弁護士か会計士で、弁護士は超難関資格、会計士もそれに次ぐ資格ですが、アメリカの公認会計士は比較的取得しやすかったというのも理由です。試験に合格したのが2003年で、同年日本の外資系企業専門の会計事務所に入所しました。
EOSに入所する以前
この会計事務所の所長は、「国際税務会計は国際的コンサルティングのひとつであって、ひとつは外資系企業が日本進出する際に日本の税務会計を英語で提供すること、もう一方は日本企業の海外進出に伴う外国の税務会計に対応したサービスの提供・・・。」ということをおっしゃっていました。この会計事務所では8割以上を占めていた日本に進出してきた外資系企業向けに税務会計サービスをメインに行なっており、私もその業務に約5年携わってきました。そのため、必要に応じて、外資系企業特有の論点を日本の所得税・法人税・消費税の中から勉強しました。また、進出企業のスタートアップに必要な会計・税務方面のフォローアップについては、新規クライアント獲得に必要なツールなので、何十件も関わっているうちに自然に身に付き、それぞれのクライアントがどういうサービスを必要としているかを学ぶよい機会になりました。しかし、英語がメインだったので、苦労したのを憶えています。また、税務サービスはミスがそのままクライアントの税金支払いに直結するので、緊張を維持していなければならず、特にミスをした際にはそのフォローで幾晩か寝れない時もありました。けれども私がかねてよりやりたいと思っていた、クライアントが必要とするコンサルティング・アドバイスができるサービスだけにやりがいを感じていました。
そしてEOSに入社。何が変わったのか...
日本の会計事務所に5年ほど勤務したのち、2008年にEOSに入所しました。EOSはまさしく、さきに触れた“日本企業の海外進出に伴う外国の税務会計に対応したサービスの提供”を行なっています。結局日本へ進出する外資系企業に加え、反対に日本から米国に進出する日本企業の両方へのサービスに携わるという貴重な経験をすることができました。EOSに入所後は初めの2年あまり、証明業務に携わらせていただきました。レビューがメインでしたが監査も少し手伝わせていただきました。当時よく一緒に担当をしていたマネージャーと同僚のスタッフに色々と教えてもらいました。また、当然といえば当然なのですが、証明業務では独立的立場を超えてしまうため、クライアントへのアドバイスはできません。クライアントは経理の知識や手続きが十分なところばかりではありません。当たり前のように証明業務を行なっているクライアントからも質問が来たりします。しかしながら、「独立的立場なのでアドバイスできません。」とお断りしなければならず、何度か心苦しい思いをしました。自分の知識や経験でアドバイスしていきたいと思っていたので、証明業務につくのは難しいのではと考えるようになりました。その後異動になり、税務方面の業務についています。結局、税金の計算も会計処理が適切に行なわれているということを前提としています。例えば、実際の法人税の申告書作成の際には、正しく税金の計算をするために、クライアントの帳簿をみながら、各勘定科目に入っている数字がどういう処理をされているかを確認しなければならず、証明業務以上に会計帳簿を深くチェックすることもしばしばです。また。クライアントが新しくビジネスを始める場合、どのよう形態で取引を進めるのが税法上リスクが少ないかなどについてもアドバイスを求められます。今では、会計だけでなく、租税条約・各州税・企業再編など税法各方面のアドバイスができるようになり、やりがいを感じています。
今後について...お客様の求めるものに即応できる「引き出し」を増やす
この業界の業務は範囲が広いので、勉強することが多いのも事実です。今まで培ったことをコアに今後もいろいろと経験して、幅を広げて学んでいきたいと思います。特に税務・会計のアドバイザリー業務はクライアントのビジネス形態によって提供できるものもさまざまなので、お客様が求めるものを適切にさっと出せる、引き出しが増えるように日々勉強していきたいと思います。